値札の付け替えはいつまで?食品1%の総額表示の特例と掲示の例
公開:2026年11月4日 運営:合同会社chillax
法案が成立すると、2027年4月1日から食品の税率が8%から1%に下がり、値札・チラシの税込価格も変わります。一晩で全部を貼り替えられないお店のために、一定の期間は掲示をすれば古い税率の値札のままでよい特例が設けられる予定です。この記事は、国税庁が公表している「法案が成立した場合の内容」をもとに整理します(法案は国会で審議中です)。
まず結論(法案が成立した場合)
- 値札の貼り替えが間に合わない事情があれば、2027年2月1日〜5月31日は、店内に掲示をすることを条件に、8%と1%のどちらの税込価格で表示してもよい予定です(8%と1%の値札が混ざっていてもよい)
- 税込価格を出さない表示(税抜価格だけ、「100円+税」だけ)は、この期間も認められません
- 1%が終わるとき(2029年2月1日〜5月31日)にも、同じ特例が設けられる予定です
そもそも総額表示とは
お客さん(消費者)に向けて、あらかじめ値段を表示するときは、消費税を含めた税込価格を表示する決まりです(総額表示義務)。
- 対象は、消費税を納めている課税事業者のお店です。消費税を納めていない免税事業者のお店は、この義務の対象外です
- 値札・棚の表示だけでなく、チラシ・新聞やテレビの広告など、表示の方法は問いません
- 値段を表示していないものや、口頭で伝える値段は対象外です
税込価格が分かれば、「101円」「101円(税込)」「100円(税込101円)」のように税抜価格を並べて書いてもかまいません(国税庁のタックスアンサーにある10%の例を、1%に置き換えたものです)。
特例の期間:前後に2か月ずつ
税率が変わる日(2027年4月1日)の前後2か月ずつ、「本来とは違う税率の税込価格」を表示しておくことが認められる予定です。レジで精算する税率は、その日の正しい税率です。
どの期間も、すぐに対応できない事情があり、掲示をした場合に限ります(条件は次の節)。
| 期間 | レジ | 表示してよい値段(税抜100円の例) |
|---|---|---|
| 2027年2/1〜3/31 | 8% | 1%の値段(101円)を先に出してもよい |
| 2027年4/1〜5/31 | 1% | 8%の値段(108円)のままでもよい |
| 2027年6/1〜 | 1% | 1%の値段(101円)で表示する |
1%が終わるときも同じで、2029年2月1日〜3月31日は8%の税込価格を先に表示でき、4月1日〜5月31日は1%の税込価格のままでもよい、とされています(同じ条件つき)。
使える条件は2つ
1. 「すぐに対応できない事情」があること
国税庁は次のような例を挙げています。
- 夜間に値札を貼り替える作業に対応できない
- カタログや商品のパッケージそのものに価格が印字されている
反対に、特に事情がないのに、4月1日以後も値札をふだん通り貼り替えているのに、新しく貼った値札がまだ8%の値段のまま、という場合は「事情があった」とは考えられないとされています。4月1日以後に新しく貼る値札は1%で作るのが基本です。
2. 誤解させない掲示(誤認防止措置)をすること
お客さんが商品を選ぶときに、はっきり分かる方法で掲示します。国税庁は、2027年4月1日以後の例として、次の2つを挙げています。
例1:棚ごと8%の値段のままにする
棚の近くの目につきやすい所に、次のように掲示します。
この棚の商品は、税率8%に基づく税込価格で表示しています。レジでは税率1%に基づき精算いたします。
例2:1%の値札と8%の値札が混ざる
まず、どちらの値札か見分けられるようにします(8%の値札の方に印をつけてもよい)。
- 1%の値札に「(1%)」と書く
- 値札の色を変える
- 値札にシールを貼る
そのうえで、店内の目につきやすい所に、次のように掲示します。
税率1%での税込価格が表示されている値札は、赤色の値札となっています。その他の値札では、税率8%での税込価格が表示されている場合がありますが、レジでは税率1%で精算いたします。
(「赤色の値札」の部分は、お店で実際に使う見分け方に置き換えます。)
2〜3月に1%の値札を先に出す場合の掲示
国税庁の文例は、どちらも2027年4月1日以後のものです。2〜3月はレジの税率が8%なので、上の文をそのまま使うと誤った掲示になります。この時期の掲示の文は、コールセンターなどで確認してから作ってください。
店内飲食がある飲食店・パン屋は
店内で食べる料理(外食)の税率は10%のままなので、店内の税込価格を変える必要はありません。税率が変わるのは、持ち帰りや出前など1%になる売り方です。店内と持ち帰りを同じ値段にしているお店や、片方の値段だけを表示しているお店は、今の軽減税率のQ&A(個別事例編 問121)の考え方を確認してください。その考え方は持ち帰り1%・店内飲食10%の線引きの記事にまとめています。
準備の目安
- 値段を表示している所(値札・棚・POP・メニュー表・チラシ・ネットショップなど)を書き出す
- 4月1日に一斉に1%の値段に切り替えるのが基本です
- 夜間に作業できない、パッケージに価格が印字されているなどの事情で間に合わない分だけ、掲示をしたうえで特例を使えます。使えるか迷ったら税務署へ
- 特例を使うなら、掲示の文を用意しておく
レジの設定や補助金、届出の期限は食品1%でお店がやることにまとめています。
迷ったときは
この記事は国税庁の資料をもとにした目安で、法案が成立した場合の内容です。国会の審議で内容が変わることもあります。一般的な質問は消費税軽減税率・インボイスコールセンター(0120-205-553、9時〜17時、土日祝を除く)、お店ごとの具体的な判断は所轄の税務署(電話で面接を予約)か税理士が相談先です。税率が下がると消費税の納める額がどう変わるかは、トップの計算ツールで目安を出せます。
あなたの場合の消費税を1分で計算
無料で計算するあわせて読みたい
出典
- 国税庁「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げに関するQ&A」(令和8年9月)問3-9
- 国税庁 パンフレット「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げについて」(令和8年9月)7頁
- 国税庁 タックスアンサー No.6902「総額表示」の義務付け
この記事は一般的な情報です。個別のケースの判断は、税務署または税理士にご確認ください。