食品1%で消費税が還付に?免税・簡易課税のお店が使える届出の特例
公開:2026年10月28日 運営:合同会社chillax
食品の売上が1%になる一方、包装材や家賃などの経費は10%のままです。一般課税で申告すると、差し引ける消費税が売上の消費税を上回り、還付になることがあります。免税や簡易課税のお店が一般課税に切り替えるための届出に、期限の特例が設けられます(法案が成立した場合)。
なぜ還付になる?
一般課税では、売上の消費税から、仕入れ・経費の消費税を差し引いて納めます。差し引くほうが多ければ、その差が還付されます。
| 例(1年・税抜) | 今(8%) | 1%の1年 |
|---|---|---|
| 食品の売上 500万円 | 40万円 | 5万円 |
| 食品の仕入れ 300万円 | −24万円 | −3万円 |
| 経費(10%)100万円 | −10万円 | −10万円 |
| 差し引き | 6万円を納める | 8万円の還付 |
ただし、免税事業者と、簡易課税・2割特例・3割特例で申告するお店は、還付を受けられません。還付を受けるには、課税事業者になって一般課税で申告する必要があります。
免税のお店:課税事業者を選ぶ届出の特例
今のきまりでは、課税事業者になりたい年が始まる前日までに「消費税課税事業者選択届出書」を出す必要があります。今回、飲食料品を売る免税事業者は、2027年4月1日を含む課税期間の中に出せば、その課税期間から課税事業者になれる特例が設けられます(個人なら2027年中)。
- 届出書の「参考事項」欄に「飲食料品特例」と書きます
- 個人は2027年1月1日から課税事業者になり、1〜3月の食品の売上は8%で申告します
- 原則2年間(個人なら2027年・2028年)は課税事業者のままです。2029年から免税に戻るには(2年前の売上が1,000万円以下などの場合)、2028年中に「課税事業者選択不適用届出書」を出します
- 課税事業者でいる間に税抜100万円以上の機器などを買って一般課税で申告すると、原則3年間は免税に戻れません
- 仕入れのインボイスの保存と帳簿づけが必要です
もう一つの方法として、インボイス登録で、登録日から課税事業者になることもできます。4月1日から登録する場合は、2027年3月17日までに申請します。この方法では原則2029年12月31日まで課税事業者のままで(食品が8%に戻る2029年4月以後も申告が必要)、課税事業者の取引先から求められたらインボイスを交付する義務があります。
簡易課税のお店:一般課税に戻る届出の特例
簡易課税は、使い始めると原則2年間はやめられず、やめる届出も年が始まる前に出す必要があります。今回、飲食料品を売る簡易課税のお店は、2027年4月1日を含む課税期間の中に「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を出せば、その課税期間から一般課税にできる特例が設けられます。
- この課税期間は、2年続ける決まりが適用されません
- 届出書の「参考事項」欄に「飲食料品特例」と書きます
- 法案が成立すれば、2027年4月1日より前でも出せるようになる予定です
- 切り替えた後は、簡易課税の届出を出し直すまで一般課税のままで、仕入れのインボイスの保存が必要です
簡易課税・3割特例のままなら:食品の分は0円
簡易課税で申告する場合、1%の期間は、業種にかかわらず食品の売上の消費税と同じ額を差し引ける特例があります。食品の分の納付は0円になり、それ以外(お酒・雑貨・店内飲食など)の売上の消費税にだけ、今までどおりみなし仕入率を使います。2割特例・3割特例を使う場合も同じです。
国税庁の例では、食品の小売2,000万円、雑貨300万円、イートイン100万円のお店で、納める額は10万円です(雑貨の税30万円×20%+イートインの税10万円×40%)。
どれを選ぶ?
還付を受けられるのは一般課税だけですが、帳簿づけやインボイスの保存の手間が増え、原則2年は課税事業者のままです。2027年1〜3月はまだ8%なので、1%の1年だけでなく、2年分の合計で比べることが大切です。1%の期間が終わると、食品の売上はまた8%になります。経費の多さや、この先の売上の見込みで有利不利が変わるので、届出の前に税務署か税理士に確認しましょう。あなたのお店の目安はトップの計算ツールで比べられます。
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出典
この記事は一般的な情報です。個別のケースの判断は、税務署または税理士にご確認ください。